今週のメッセージ
-
Message
本日の礼拝説教要旨
「事実を認める信仰」 エレミヤ33:12-16 マルコ15:1-20 足立 宏 牧師
【私たちは、真理に逆らっては何をすることもできず、
真理のためなら、何でもできるのです。】 Ⅱコリント⒔章8節
イエスを十字架につけた責任を問われるべき、もう1つのグループは「群衆」であった。祭の時に人々の願う囚人を1人だけ赦免する慣例があった。総督が群衆の前に現れた時、彼らは赦免を要求した祭司長たちが法的に無実のイエスを引き渡したのは、彼が群衆に人気があり、それをねたんでのこととピラトは察知していた。そこで総督は群衆がイエスの赦免を願うものと思っていたが、予想に反して、群衆はバラバの釈放を求めた。この背後にも祭司長たちの扇動があった。
ここで群衆の本質が露呈する。これまで,群衆はパリサイ人・律法学者のような、直接的な敵ではなかった。しかし積極的にイエスを信じたわけではない。群衆は扇動されやすく、自ら真理や公正を図る意志もない。ピラトが押えに回ると、群衆はますます激しく「十字架につけろ」と叫んだ。
最終的にピラトは群衆のきげんをとろうと思い、イエスの十字架刑を決定した。ヨハネの首をはねたヘロデと同じである(6:14-29)。祭司長たちの策略を見抜き、イエスは無罪であると確信したピラトであるが、真理を貫く勇気はなく、世の流れに負けた。